レポート

アナリストレポート第7回
「分析スタッフとして大事な意識-Jクラブでの経験から-」

2018年11月15日 サッカー

サッカーアナリスト:藤宏明

今回は私がJクラブの現場で分析担当を務めていた時の仕事についてお伝えしようと思います。

 

西野朗監督の下で分析担当を経験

私は筑波大学を卒業後、2006年にヴィッセル神戸に加入し、当初はチームマネージャーをしていました。その後、2009年からは分析担当の仕事も任されることとなり、約5年間分析担当を務めました。2014年から2年間所属した名古屋グランパスでは、西野朗監督の下で分析担当としての経験をさせていただきました。

 

Jクラブの中で分析を行っているスタッフは、「分析担当」と呼ばれていたり「テクニカルスタッフ」と呼ばれていたり、「コーチ」としてその役割を担っている場合もあります。
その仕事の内容も、自チームの分析、対戦相手チームの分析にとどまらず、クラブによっては選手を指導するコーチの役割を担っている方もいます。
私が分析担当として任されていた役割としては、主に対戦相手の分析を行い、監督、コーチングスタッフ、選手に向けて情報を共有することでした。

 

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対戦相手の分析では事前準備と「情報」

対戦相手の分析をする際に大事なことは「情報」です。試合映像を見る前に様々なソースから直近の試合出場選手やチーム・選手のデータ、試合前後の監督、選手のコメントなどの情報を集め、そのチームで起こっていることをイメージし、準備をしてから試合を見るようにしていました。何事も準備が大事といわれますが、分析においてもこの事前準備の深さが、分析した情報の深さにつながると思います。

 

注意すべきは「情報のコントロール」

また、分析したのちに私が注意をしていたのは、「どれだけの情報を伝えるか」ということです。100の情報を自分が得たとしても、監督や選手にとってそれがすべて必要かどうか、すべての情報を伝えてしまうことで逆に迷いを与えてしまうことにもなりかねない場合もあるので、その部分は私が最も注意していたところです。

例えば、チームの状況が良いときに下位チームと対戦するときは、チームをさらに引き締めるために、あえて対戦相手の良いシーンやストロングポイントを挙げます。一方、チームの状況が良くないときに上位チームと対戦するときは、対戦相手に脅威を感じすぎない情報量になるように注意をするなど、「情報のコントロール」を心がけていました。

ただし、分析した情報の共有、伝達については、監督がどのような考え方を持っているかも非常に大事な要素です。監督の意図をくみ取って、必要な情報を必要なタイミングで伝達できているかは、常に気を配っていました。

神戸、名古屋で一緒に仕事をした西野朗監督は、選手とのコミュニケーションを非常に大事にする監督だったので、自分が選手に情報を提供するときも監督の意向に沿っているかをよく考え、監督ともコミュニケーションを取ってから伝えるように心がけていました。

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効率よい準備のためにシステムを導入

Jリーグの試合は基本的には週1回で、その試合に合わせてチームや分析活動のスケジュールが組まれます。ただし、水曜日に試合が組まれるような日程になると中2日、中3日で試合が続いていくため、分析活動のスケジュールもかなりタイトなものとなります。先を見越していかに効率良く準備を進めていけるかが分析担当としては大事で、その効率化のために当社の映像検索のシステムを導入し、活用していました。すべての試合を見ることは時間の制約もあり困難なので、できるだけ多くのシーンを見る目的で利用していました。また、分析した情報を強化、裏付けするために数字のデータも活用していました。

 

現場のニーズは常に進化。対応力を身に付け、日本サッカー界の発展へ

2016年からはJクラブの現場から離れて、当時から分析活動においてつながりのあったデータスタジアムに入社しました。入社してからはJクラブの現場での経験を活かして、主にJクラブの分析サポート、システム提供を行っています。私が現場にいた当時に比べて、ITやデータのニーズは世の中のテクノロジーの進化とともに、現場レベルでも高まっていると感じています。加えて、2018年ロシアワールドカップからは試合中にリアルタイムでベンチとの交信が許可されたため、今後はよりIT・データ、分析のニーズが高まることは間違いありません。当社のサービスの質やスピード感をさらに上げていくことが求められていると感じると同時に、それが日本サッカー界の発展につながるという身が引き締まる思いで日々の業務に取り組んでいます。

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