レポート

アナリストレポート第8回
「普及が進むデータ分析ツール」

2018年12月10日 野球

野球アナリスト:竹石健太郎

こんにちは。私は普段、アマチュア野球チーム向けにデータ分析ツールの販売や、データ分析のサポートをしています。今回はアマチュア野球におけるデータ分析の現状、主に分析ツールについて、簡単ではありますがお話したいと思います。

皆さんが所属するチームや所属していたチームでは、どのようなデータ分析がおこなわれているでしょうか。打数、安打から打率を算出したり、スピードガンで球速を測ったり、細かなプレーデータを集めて統計をとったり。程度の差はあると思いますが、何かしらの数字、データに触れた経験があるという方が多いのではないでしょうか。またチームに所属していなくても、野球のデータに触れたことがある方はいると思います。

日本の野球界において、資金力・活動規模の大きいプロ野球は、国内トップレベルの分析力が集まる現場といえます。球団所属のスコアラーが日夜試合の対策を練り、当社のように分析サポートをおこなう企業も複数存在し、セイバーメトリクスやバイオメカニクスの専門家と共同で分析をおこなっているチームもあります。しかしこのような最先端のデータ分析は、多くの野球人にとってはあまり触れる機会がないかもしれません。

プロ→アマチュアへ広がる分析

かつてプロ野球がコンピューターを使った分析に乗り出した頃、当社のデータ分析ツール「Baseball Analyzer」の前身のツールが、多くの球団に導入されました。現在でも少しずつ改良を重ねながら、プロの現場で使用されています。

BA 「Baseball Analyzer」の分析画面(取得したデータから多角的な分析ができる)

当初はプロ球団を中心に使用されるものでしたが、時を経た今では、アマチュア野球での普及がずいぶんと進みました。

例えば社会人野球の全国大会である、都市対抗野球大会。
今年度の出場32チーム中、19チームがBaseball Analyzerを使用するチームでした。Baseball Analyzerに限らず、他社の製品やチームで独自につくったものなど、何かしらの分析ツールを使用しているチームとなると、さらに数が増えるでしょう。また社会人野球だけでなく、大学野球、高校野球の全国大会にもBaseball Analyzerを使用するチームが数多く出場しています。

アマチュア野球からプロ野球に広まった技術や文化も数多くあると思いますが、ことデータ分析においては、プロ野球で活用、流行したものが、やがてアマチュア野球にも浸透するという流れができているといえます。

トラッキングデータが身近なものに!

昨今のデータ分析におけるトレンドは、投球の回転数、回転軸、変化量や打球の速度、角度といった、いわゆる“トラッキングデータ”ではないでしょうか。トラッキングデータを取得できる弾道測定機器「トラックマン」がプロ球団の本拠地球場のほとんどに設置され、日々研究、活用が進められています。

プロ野球の公式戦でトラッキングデータの取得が始まってから数年が経ちましたが、プロの選手以外で自身のデータを計測したことがある人は、あまり多くはないでしょう。しかし先ほどお話したように、プロで活用されたものはアマチュア野球に広まっていくもの。今では手軽にトラッキングデータを取得できる測定機器が多数登場しています。

当社で取り扱う「ラプソード」は、トラックマンと同じように投球の回転数などを取得できるもので、すでに中学生からプロまで、多くのチームが導入しています。

Rapsodo

トラッキングシステム「ラプソード」

Rapsodo_app

「ラプソード」のデータ取得画面

他にもボールに内蔵されたセンサーで投球データを取得するものなど、さまざまな測定機器が発売されています。

これから先も新たな分析ツールが生み出されていくはずです。その時々の最新のものに触れることはハードルが高いかもしれませんが、数年もすれば一般化されていきます。当社としてもその一端を担い、今後も野球界全体へのデータ分析の普及に貢献していきたいと思います。

また当社では、アマチュア野球関連の業務に協力してくださる方を募集しております。熱い気持ちを持った方のご応募をお待ちしております!

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