レポート

アナリストレポート第13回
「意外と○○?ラグビーデータ取得ウラ話」

2019年09月14日 ラグビー

 こんにちは。データスタジアムラグビーチームです。いよいよラグビーワールドカップ2019™日本大会(以下:2019年大会)の開催が近づいてまいりました。日本初の、アジアでも初となるラグビーワールドカップの開催。いちラグビーファンとして開幕を楽しみにしているのはもちろんですが、2019年大会に関するお仕事の依頼も急増中で、空前のラグビーブーム到来の予感(?)にチーム一同ワクワクしております。

 平常時はチーム向けのお仕事が多いのですが、ワールドカップに関してはメディアの方からのお問い合わせが非常に多くなっています。今回のアナリストレポートでは、そんなメディアさんとのお仕事の一例として、去る9月5日に読売新聞さんと共催したイベント「第1回スポーツアカデミー『ラグビーをデータから読み解く』」(以下:スポーツアカデミー)について、お話させていただきたいと思います。

 ラグビーデータをメディアで活用いただくこと、データスタジアムのラグビー事業について、少しでもイメージをお伝えできれば嬉しいです。

大盛況!スポーツアカデミー

 スポーツアカデミーは、2015年大会で代表コーチを務めた沢木敬介(さわき けいすけ)氏をゲストスピーカーとしてお迎えして、ラグビーやラグビーデータの魅力を発信するべく行われたセミナーです。 (イベント概要はこちら

 2015年大会の日本代表vs南アフリカ代表(日本の歴史的勝利となったあの一戦です。)の試合の裏話や、現在の日本代表の実力や注目選手について、今回のワールドカップの展望について……などなど、日本代表チームのコーチを実際に経験した沢木さんから、実体験を交えたお話を聞くことができ、非常に貴重な時間をご提供できたのではないかと感じています。「数字はうそをつかない」という沢木さんの言葉が印象的でした。

 ……とここで締めくくってしまうと、沢木さんのトークにただただ感動した!!というだけで話が終わってしまうので、このイベントにおけるデータスタジアムの役回りについて書きたいと思います。

コツコツ集めたラグビーデータが講演のアクセントに

 スポーツアカデミーの講演中には、沢木さんのお話の裏付けとして、「2015年大会でのタックルの傾向」「スタッツから見る2019年大会の注目選手」など、様々なデータが登場しました。

(スポーツアカデミー講演内で使用されたスライドより抜粋)

 こうしたデータはデータスタジアムが独自に収集したデータの中から今回のイベントに向けて抽出・分析したものです。「データの収集」というとハイテクなイメージを持たれるかもしれませんが、現状当社では人の目でラグビーのプレーを判別し、独自の入力システムを利用して人の手でデータ入力を行うことで、データを蓄積しています。

 データ入力の際には、基本的に下記の4つの項目を判別して入力しています。

①時間:何分にそのプレーがあったか
②選手:どの選手がそのプレーをしたか(背番号のほか、背格好、髪型、靴の色などの外見的な特徴から判断します)
③場所:フィールドのどの位置でのプレーか
④プレー:トライ、スクラム、ラインアウト、ボールキャリー、タックル……etc.
(プレーによっては、詳細情報(成功、失敗など)も判別しています)

 ①~④の判別しながら入力を繰り返していくことで蓄積されるデータは、1試合あたり2000プレーほどで、時間でいえば10時間前後かかります。データ分析に取りかかる前には、実は地道な下準備が必要なんです。こうしてコツコツと収集したデータから、選手ごと、チームごとのプレー数の合計や各プレーの成功率などを計算したり、その結果から注目選手・チームなどのランキングを作成することができます。

 他にも、各プレーが①時間や③場所の情報を持っていることから、直接は入力していない「ポゼッション」や「エリア」の情報などを導き出すこともできます。例えば「試合時間が経過するにつれて、ポゼッションはどう変化するか」「どのエリアのどのような攻撃からトライを取ること(取られること)が多いか」などの傾向が見えてくる可能性があります。

 スポーツアカデミーでは「2015年の日本代表」スタッツ(4試合分)と、「2019年の日本代表」のスタッツ(3試合分)が比較されていました。1試合だけで比較すると、対戦相手や天候などその試合固有の条件の影響を受けやすいため、このように複数試合をまとめて分析した方が、チームとしての傾向は出やすいといわれています。

 今回、スポーツアカデミー向けにデータの分析・抽出を行ったのは、沢木さんの右隣でマイクを握るこちらの白いシャツの男性……

 ラグビーアナリストとしてスポーツアカデミーに登壇した当社スタッフの小川孝明(おがわ たかあき)です。セミナー中には当社が提供したデータを示して、「この数字をどのように読み解けばよいか」、「このデータのどこが特徴的なのか」解説を添えることによって、沢木さんのお話への導入をスムーズにする役割を担いました。

 小川をはじめとしたラグビーチームの面々は「この試合のデータで何か面白いものはありますか?」「この選手の特徴をデータで表したいのですが…」といったお客様からのご要望にお応えできるよう、日々準備を重ねています。

ラグビーイヤーを盛り上げてまいります!

 スポーツアカデミーの様子から始まって、裏話的にそこで使われたデータ収集の仕方について書かせていただきましたが、いかがだったでしょうか?

 来る2019年大会では、日本が属するプールAの全試合についてデータを収集する予定です。データの面からワールドカップをより面白くしていけるよう、ラグビーチーム一同頑張ります!

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