レポート

アナリストレポート第19回
「データ分析という「武器」」

2020年05月20日

 こんにちは。データスタジアム配信サービス部の成田悠です。元ソフトテニス選手で実業団に所属してプレーしていました。引退後、スポーツのデータを扱う仕事がしたいと思い、データスタジアムに入社し、主に野球のデータ配信などを行いながら日々スポーツのデータに触れております。

 現在、コロナウイルスの影響で、数々のスポーツの大会が中止されています。「スポーツ」というものが、必ずしも生活に必要なものではないと再認識させられましたが、オリンピックやプロリーグ等の延期でスポーツがない毎日を過ごしていると、やはりスポーツに勇気や生きる活力をもらっていたんだなとも感じました。

自粛の中、できることは?

 そんな中、高校生で部活動をやっている人なら多くの人が目指すであろう大会、全国高校総体の中止が発表されました。1963年の第1回大会以来初めてのことだったそうで、そこを目指していた高校生たちの想いを考えると胸が苦しくなりましたが、私の身近にいる高校生たちの話を聞いてみると、意外にも前向きに捉え、決して努力をやめたり諦めたりしていない子たちが多く、自分が考えているより、今の高校生たちはよっぽどしっかりしていて将来を見据えられているんだなと思いました。

 そんな高校生たちに対して、自粛要請のために集まって部活ができない、実際のプレーは制限されているという中で、何か力になることはできないか?と考え、「分析勉強会」というオンライン授業やYoutuberとのコラボ企画を実施しました。

分析勉強会の実施

 私は長年ソフトテニスをやっていたので、今回は北海道にある、とわの森三愛高校のソフトテニス部のみなさんと一緒に分析について学びました。ソフトテニスは競技者人口は多いものの、まだマイナー感が拭いきれず、データの活用や分析というものがあまり広まっていません。他の競技ではすでにデータ活用が進んでおり、それがとても競技力向上に活きていると感じています。せっかくの「武器」を活用しないのはもったいないと、自粛の中、ぜひこの「武器」を磨くいい機会にしてほしいと考え実施に至りました。

 もちろん、外出自粛期間中ですから、直接集まることはできないため、各自の自宅からオンラインで参加してもらい、1時間程の時間で、「スポーツにおけるデータ分析とは?」「他競技における分析活用例」「ソフトテニスの分析について」という内容で進めました。

 今回は当社サッカーアナリストの久永にも参加してもらい、サッカーでのデータ分析活用事例を紹介したのですが、他の競技ではすでに高校生でもデータ分析が活用されていることや、実際に分析からどのようなことが分かるのかを話してもらえたことは、データ分析が重要な「武器」であるということを理解するのにとてもいい機会となりました。

 その後はソフトテニスのデータについて学んだのですが、そこでは当社のツールで取得したとわの森三愛高校のみなさんのデータを使って、そのデータからどのようなことが読み取れるのか自分で考えてもらう時間も設け、それに対して考え方のポイントや、戦術や戦略との繋げ方などをお伝えしました。

(データを取得した自社開発ツール)

(とわの森三愛高校のプレーデータ)

(実際に行ったワークの一コマ)

 終了後、とわの森三愛高校のみなさんからは

「プレーをデータ化する事がとても新鮮で、分析データから分かることも多く、データをいろいろ集めたくなりました! オンライン授業も新鮮で楽しかったです! 」

「自分でも1つの試合を見ながら分析します! トレーニングや素振りをするモチベーションが上がりました!」

などのコメントをいただき、分析勉強会を実施した意義がとてもあったと感じました。

 「データ分析」というと、難しそうなイメージがあるかもしれませんが、案外自分でも取得できるデータの中に、たくさんのヒントがあったりします。それを自分のプレーや試合に繋げて考えられる力が付くだけでも大きな武器となるのです(もちろん、本格的な詳細データがあるほうがさらに良いですが……)。

 私がここまでデータ分析の有用性を推すのは、データ分析というものは生まれ持ったセンスや才能に左右されず、誰でもやればやっただけ競技力を伸ばせるからです。センスがないから……、指導者がいなくて技術を磨けないから……、と思っているみなさんに、ぜひ取り入れてほしいと思います。

(分析勉強会のまとめ動画)※再生できます

Youtuberとのコラボ企画

 そしてもう1つ、この自粛期間にYoutuberのあゆタロウさんとのデータ分析企画もやらせていただきました。あゆタロウさんはチャンネル登録者約10万人の有名なYoutuberで、ソフトテニスの経験があることから、ソフトテニスに関する動画も多く上げている方です。今回は、あゆタロウさんの試合のデータ(ダブルス・シングルス各1試合)を取り、2人でそのデータを見ながら解説していくという動画を撮りました。

 あゆタロウさんからも好評をいただき、あゆタロウさんが本格的に選手復帰したら、その陣営にデータ分析班として入ってもらいたいとのお言葉も……。あゆタロウさんからの感想で一番印象に残ったのが、「メンタル面にも通じてくると思った」というコメントです。実感していただいて嬉しかったですし、実際にデータ分析をすることや、分析結果を試合に結び付ける癖を付けることによって、メンタル面やフィジカル面のカバーもできます。たくさん発見のあった企画となりました。


 詳しくは、ぜひ動画をご覧ください! 上岡選手VSあゆタロウのガチ試合のデータをすべてだしてみました!【ソフトテニス】

「武器」となるデータ

 あゆタロウさんとの動画を見ていただいたらわかると思いますが、データを見ながら試合を見ると、ただ試合を見るより選手の特徴などが分かり、より面白く見ることができます。すでにメジャーなスポーツでは、リアルタイムでスタッツが表示されたり、試合の合間にそれまでのデータが表示されたりと、スポーツを「魅せる」部分でも多くデータが活用されています。

 プレーする側、見る側(見せる側)のどちらでも「武器」となるデータ分析。まだ取り入れていない方は、ぜひ一度データ分析に触れてみてはいかがでしょうか?これからも、まだデータの活用が進んでいないスポーツや、なかなか触れる機会のない学生向けなどに、データ分析の有用性を広めていけるよう、努めていきます。

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