レポート

アナリストレポート第32回
「元Jリーガー若手監督の実践例から学ぶ、映像分析の活用方法【スポーツアナリスト育成講座特別編レポート】」

2021年12月01日 サッカー

 当社では、現場で活躍できるアナリスト人材の育成を目的に2017年5月より「スポーツアナリスト育成講座」を開講しています。直近では11月1日に「スポーツアナリスト育成講座特別編」を開催し、元JリーガーでU-20W杯への出場経験もお持ちの甲南大学体育会サッカー部監督・柳川 雅樹氏をお呼びしました。大学での指導や映像分析のポイント、分析内容の伝え方など、現在実践している「映像分析の活用方法」について事例を交えてお話しいただきました。今回のレポートでは、当社が開発・提供するスポーツ映像分析アプリ「MY TAGTIC」について、柳川氏の活用方法をインタビュー形式でご紹介いたします!

※特別編の詳細についてはこちら https://www.datastadium.co.jp/news/6911 

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――映像からの分析はどのように行っているのでしょうか?

 「自チーム分析」「相手チーム分析」「ハーフタイム分析」の3つを行っています。まず「自チーム分析」では、①プレーモデルの遂行 ②セットプレー ③グループ戦術 ④個人戦術という4つの視点で分析しています。分析は試合当日から遅くとも翌日までには実施し、振り返りを行うようにしています。

 次に「相手チーム分析」では、①エリア別の攻撃の特徴 ②エリア別の守備の特徴 ③セットプレー ④チームのパターンや癖 ⑤選手個人のパターンや癖 という5つの視点で分析を行うようにしています。

――分析視点が体系化されているのですね。客観的な数字やデータは扱っているのでしょうか?

 得点・失点のパターンを毎試合記録しています。それ以外にも、得失点の時間帯や、奪ってから何秒で得点を決めたのかといったデータも取得しています。

――その中でMY TAGTICをどのように活用しているのでしょうか?

 まず先ほどの分析視点をもとに、「自チーム分析」では、得点、失点、攻撃GOOD / BAD、守備GOOD / BAD、セットプレー、切替、個人プレーといったタグを設定し、該当のシーンに対してタグ付けをしています。「相手チーム分析」では、システムや攻撃・守備の特徴、コーナーキック攻守、サイドのフリーキック、直接フリーキック、個人の特徴、得失点などのタグを設定しています。タグ付けしたシーンの中で、選手へのミーティングで伝えるべき重要なシーンには「★マーク」をつけておきます。

 特に「自チーム分析」では個人のプレーに対してタグをつけることが多いですね。上の画像は、センターバックの選手を振り返ったシーンになります。その選手は悪くないと感じていたプレーなのですが、私は周りの選手へのコーチングや状況を把握した立ち位置の修正ができていなかったと考えていました。こういった細かいプレーを練習前に本人を呼んで一緒に振り返ることで、お互いの認識のずれを解消しています。

 MY TAGTICを使うとiPad一つで完結するので、グラウンド上で振り返ることができ、非常に助かっています。

 ちなみに全体ミーティングで使用する映像は、アプリの出力機能で動画クリップをエクスポートした後、パソコンに取り込んで、編集をするようにしています。

――試合を撮影しながらタグ付けも行っているのでしょうか?

 はい、学生コーチが撮影をしながらタグ付けをしています。ハーフタイムになったら、ロッカールームに下りてきて、私に対して修正すべきシーンを提示してくれます。また失点シーンや私自身が試合中に気になったシーンがあれば、そのシーンをチェックしたうえで選手にコーチングをするようにしています。このような分析は今までにできなかったことなので、非常に便利だと感じていますね。ちなみにどんなシーンに対してタグを付けるのかについては学生コーチにすべて任せるようにしています。客観的な立場から指摘してくれるので非常に助かっています。

――学生にも分析が浸透しているのですね!MY TAGTICでのタグ付けや分析が、実際に活きた試合はありましたか?

 全体のミーティングでMY TAGTICでタグ付けしたシーンのうち、相手の守備の仕方や、ウィークポイントのシーンを細かく選手に伝えました。その結果、実際の試合で分析通りウィークポイントをうまく突くことができ、得点を奪うことができたんです。分析通りにうまくいくのは10回に1回あるかどうかですが……(笑) 分析することによって勝ち点につなげることができたので、改めて分析の重要性を感じた試合にはなりましたね。

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今回の講座では他にも、映像分析のポイントや分析内容の伝え方などかなり細かく話していただきました。その中で「 MY TAGTICを使ったことで、試合の撮影からタグ付け、振り返りまでiPad一つでできるようになった」という言葉がとても印象的でした。スポーツの分析をするにはカメラで撮影し、録画したデータをPCに取り込んで分析する……というように、撮影から分析、フィードバックまで時間がかかるという印象がありますが、MY TAGTICをご利用いただいたことで効率的かつ効果的な分析やフィードバックができているのではないでしょうか。今回の講座を通してそれぞれの活動におけるヒントや学びになれば幸いです。

スポーツアナリスト育成講座やMY TAGTICに関して、ご質問やご不明点等ございましたらお気軽にご連絡ください!

〇MY TAGTICホームページ
/https://www.mytagtic.app/

■お問い合わせ先
データスタジアム株式会社
担当:高橋、藤
E-Mail:info@mytagtic.app

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