データスタジアムフットボール事業部の藤です。当社では、現場で活躍できるアナリスト人材の育成を目的に2017年5月より「スポーツアナリスト育成講座」を開講しています。12月21日に現役プロサッカー選手でガンバ大阪などに在籍経験があり、日本代表のキャリアもお持ちのFC今治・橋本英郎選手をゲストにお呼びして、「選手から見たサッカー分析」をテーマとしたスポーツアナリスト育成講座特別編を開催しました。プレー中に考えていること、試合前後の映像・データ分析、アナリストからのフィードバック、アナリストと選手の関係性などについてお話いただきました。

■事前の分析情報は頭に入れつつ、それにとらわれすぎずに試合に入っている

　まず始めに「ピッチの中でどのようなことを考えてサッカーをしているのか」というテーマでお話しいただきました。事前に対戦相手の分析情報を入れつつも、フォーメーションがどうか、相手がどんな戦術で戦ってくるかをフラットな状態で見て試合に入っているということでした。分析通りに相手が入ってくればやりやすいが、急に戦術を変えてくる場合もあることも想定しながら試合に入るそうです。

■ポジションによって欲しい情報が違ってくる

　試合に入る前の事前の分析として、自チームの振り返りと対戦相手の分析を行います。自チームの振り返りではまずチームのプレーモデルに基づいたプレーができているかを判断軸として分析を行うということでした。またチーム全体だけでなく個人スキルの面で自身の大事にしているポイントができていたかどうかも振り返っているそうです。

　対戦相手の分析について橋本選手はアナリストやコーチが分析した情報を頼りにしているということ、また選手が欲しい情報はポジションによって変わってくるというお話が印象的でした。マッチアップする相手選手の特徴が知りたいのか、対戦チーム全体の特徴を知りたいのか、情報伝達をより個別化できるかがチームの勝利に関わると感じました。

■対戦相手を分析する際にデータを確認する

　「データ分析について」お話を伺ったところ、主に対戦相手の分析をする際にデータを確認するということでした。相手の特徴をつかむ客観的な指標としてデータは有効であるというお話でした。また様々な場面での「距離感」をデータで示すことができれば、よりプレーの精度が高まってくるのではという選手ならではのご意見もいただきました。

■コミュニケーション力が大事

　選手目線で求めるアナリストの能力で大事な要素として挙げていただいたのは「コミュニケーション力」。選手が考えていることと、アナリストが分析した情報をマッチングさせること、選手がピッチでストレスなくプレーするためのコミュニケーションが意識できるかどうかが非常に大事だということです。

　また情報伝える際には自信をもって伝えてほしい、という言葉もとても印象的でした。あいまいな表現だと選手に迷いを与えることにつながるので、断言する言葉を使う方が伝わりやすい、選手が自信をもってプレーできるということでした。

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今回の講座ではアナリストになりたい学生から現場を持つ指導者や一般の方まで幅広くご参加いただきました。本講座として初めて現役選手からお話を伺う場となり、それぞれの活動に活かせるヒントや学びを得ていただけたら幸いです。

■受講生の感想（アンケートより抜粋）

・アナリストについて基礎的なところから踏み込んだところまで元日本代表である橋本選手から現場の声を直接聞きながら学ぶことができた。

・選手からの話を聞けることは滅多にないので、選手をアナリストの会に呼ぶのは斬新だなと思うと共に様々な視点から話が聞けて面白かった。

・アナリスト側が伝えたい情報と、選手が知りたい情報の違いが分かった。

・選手視点のデータへの考え方を知れて良かった。なおかつ、橋本選手のご説明が大変上手で、頭に入ってきやすかったです。

・「選手として、こういったデータが欲しい」ということを聞けて良かった。

チーム・クラブ・学校などでのアナリストのスキルアップや体制作りに向けた出張講座等も対応可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

■お問い合わせ先
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担当：高橋、藤
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