レポート

アナリストレポート第35回
サッカー分析サポート事例のご紹介【大学サッカー部へのアナリストサポート】

2022年07月26日 サッカー

データスタジアム株式会社サッカーアナリストの藤です。
今回は大学サッカー部の分析班の体制作り、アナリストのスキルアップのサポートの事例をインタビュー形式でご紹介したいと思います。

■サポートしている大学について

大阪公立大学体育会サッカー部
今年度より大阪市立大学と大阪府立大学が統合。大阪市立大学体育会サッカー部と大阪府立大学体育会サッカー部の合併により大阪公立大学体育会サッカー部が発足。部員83名。関西学生サッカーリーグ3部所属。練習や試合の意思決定からピッチ外での活動についても学生が主体で行っており、分析班には24名が所属。

■学生主体の分析活動における課題

藤:本日は分析班のこれまでの活動、データスタジアムの分析サポートについて、分析サポートを受けてからの変化について、分析班リーダーの小林来生さんにお聞きしていきたいと思います。

小林:よろしくお願いします。

藤:では早速ですが、サポートを受ける前の分析班の活動について教えていただけますか?

小林:はい、サポートを受ける前はサッカーの分析についての専門的な知識はなく、自分たちで考えて分析活動を行っていました。そのため活動をする中で多くの課題を感じていました。

藤:具体的にはどのような課題ですか?

小林:今振り返ると3つ課題があったと思います。一つ目は分析活動の効率の悪さです。撮影した映像をYouTubeにアップして、スマホの画面収録機能でシーンを抜き出す作業をしていたため、分析作業に時間がかかり、前節で出た課題を踏まえた練習を十分に出来ずに次節に臨んでいたこともありました。
二つ目は分析者によって観るポイントが統一されていなかったため、分析に一貫性がなかったことです。そのためチームとして次にどう戦っていくかが試合によってぶれていたと思います。
最後は、分析した内容を伝える際に伝える情報量が多く、1番重要なことが何かということを伝えきれていなかったことと、分析する側の意見を伝えるだけで、それに対して議論して理解を深めていくことが少なかったことです。

■分析サポートを依頼したキッカケとサポート内容

藤:分析活動のすべてを独力でやっていたんですね。では、今シーズンからデータスタジアムに分析サポートを依頼したキッカケを教えてください。

小林:きっかけは、データスタジアムが主催する橋本英郎選手(現:おこしやす京都AC)が講師を務めたスポーツアナリスト育成講座に出席したことです。その講座では分析において意識していること、アナリストに必要なスキルなどをお話いただき、学ぶべきことがたくさんありました。今年度から大阪公立大学体育会サッカー部の分析班として新たな組織体制を作らなければいけないと感じていたところですし、関西学生リーグ2部昇格を本気で目指している背景もあるので、データスタジアムの専門的な知識や、第一線で活躍してきた方のノウハウ含めてお力添えをいただきたいと感じ分析サポートの依頼を決意しました。

藤:話をいただいたのが2月上旬で、シーズン開幕前の3月中旬からサポートを始めましたね。最初はサッカーの見方や分析の仕方について講義を行いました。2回目は自分たちの目指すサッカーの整理、3回目は分析体制の整理を行い、現在は公式戦後の自チームの振り返りや次節の対戦相手分析に対するフィードバックを定期的に行っています。

小林:新シーズンが4月に開幕し、コロナウイルス感染症の影響で試合が延期になることがあったり分析班のメンバーの都合で毎週フィードバックをいただけてはいないんですが、僕らが行った自チームの振り返りや対戦相手の分析に対してフィードバックをいただけるのは非常に助かっています。

■分析サポートを受けた後の分析班やチームの変化

藤:分析サポートを受けて、分析班のメンバーやチームに変化はありましたか?

小林:まず分析効率の悪さについてはデータスタジアムが提供しているMY TAGTICを利用するとともに、チームとして分析する観点を事前にすり合わせたことで格段に効率が上がりました。分析者に左右されない統一した分析観点により、分析をする側もそのフィードバックを聞く側にも共通の認識ができたため、チームとしての戦術理解が深まったと感じています。

※大阪公立大学サッカー部のMY TAGTICの利用事例はこちら

藤:分析にはどうしても時間がかかるので、いかに効率的に行って、練習や試合に落とし込めるかが大事ですよね。分析内容の伝え方についても課題があったようですが、その点はいかがですか?

小林:チームに分析内容を共有するときの伝え方はこれまでほとんど意識してやってこなかったので、講義していただいた内容はとても参考になりました。サポートを受けてからは、いかに要点を分かりやすく伝えるかを意識していますし、MY TAGTICを利用することでチームミーティングにおいて内容の濃い議論ができています。

藤:ちなみに分析班の他のメンバーは現在のサポートについてどんなことを感じていますか?

小林:分析班の数名にコメントをもらっているので紹介したいと思います。
・プレーが起こった要因を考えることが大事であるということを学んだので、より頭を使って分析を行う習慣が付きました。
・第三者視点でのフィードバックをいただけることで、学生だけでの分析では及ばないところまで思考を巡らせることができ、戦術理解が深まっていると感じています。
・自分では気づかなかった視点や考え方だけでなく、分析した内容をチーム内に共有する時の伝え方についても教えていただいています。教えていただいたことが、サッカー以外でも活用できる場面があるのでとても勉強になっています。

藤:コメントいただきありがとうございます!最後にチームや分析班の目標を教えてください。

小林:チームとしては、ボールを動かしながら前進するアクティブなサッカーをコンセプトとしながら、2部昇格を目指しています。分析班としては、自分たちの分析によってプレーしている選手の選択肢を広げてチームの勝利に貢献するために活動しています。そのために現在受けている分析サポートで学んでいることを生かして、分析者によって差が生まれないマニュアルの作成や、1週間を通してスムーズな分析サイクルを実現し、選手に伝わるプレゼンを心がけて活動していきたいと思います。

藤:インタビューありがとうございました。チームや分析班の目標に貢献できるようサポートしてまいります。引き続きよろしくお願いします!

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