レポート

アナリストレポート第6回
「意思決定を支えるデータアナリストになるために」

2018年10月23日 野球

野球アナリスト:山田隼哉

 

こんにちは、ベースボール事業部の山田です。

 

私は普段、野球のプロチームにデータを提供したり、分析した結果をもとにチームの強化をサポートする仕事をしています。今年で入社7年目になりますが、この仕事を担当するようになったのはここ3年くらいの話で、まだまだ駆け出しのデータアナリストです。

 

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具体的にどんなことをするか。テーマや要求に応じていろんなやり方をしますが、基本的には、必要なデータを抽出し、過去の結果や知識に基づいて洞察を加え、得られた知見をチームの強化担当者に伝えるというものです。場合によっては選手やコーチと直接コミュニケーションをとることもあります。

 

自分の導き出した分析結果をもとに、チームで何らかの意思決定が行われていると思うと、責任は重大ですがとてもやりがいがあります。分析で人を動かす、これがデータアナリストという仕事の醍醐味だと個人的には思っています。

 

世の中には私よりも優秀なデータアナリストが山ほどいると思いますが、野球界ではこうした人材は不足していると言われています。野球は日本でも1、2を争う人気スポーツですし、もっとアナリストがたくさんいても不思議ではありませんが、なじみがないせいか、この仕事を志す人はあまり多くないようです。この記事を読んで、野球のデータアナリストという仕事に興味を持つ人がひとりでも増えたらとてもうれしく思います。

 

SQLを覚えるとデータ分析が楽しくなる

 

さて、ここからは私がこれまでの経験の中で感じた、野球のデータアナリストとして最低限、身につけておきたいスキルや思考について話したいと思います。もちろん正解はないので、参考程度に聞いてください。

 

冒頭にも書いたように、私がこの仕事で行っていることは主に以下の3つです。

• 必要なデータを抽出する
• 過去の結果や知識に基づいて洞察を加える
• 得られた知見をチームの強化担当者に伝える

 

まず「必要なデータを抽出する」について、ここではSQLを学んだことが役立ちました。SQLとは、データを抽出したり更新したり、データベースに対して何かを実行するときに使う言語のことです。

 

最近のSQLは本当に便利で、単純なデータの集計だけでなく、デシル分析で選手のグループごとの傾向を見たり、累積移動平均を出して成績の収束具合を見ることもできます。

 

私も入社したての頃はSQLについて何も知りませんでしたが、やはり自分で自由にデータを抽出できないと楽しくないと思い、独学でSQLを学びました。今では『UZR』や『WAR』といったセイバーメトリクスの複雑な指標を毎日自動で計算し、他のスタッフがいつでも見られるような仕組みを自力で作るほどになりました。

 

「必要なデータはエンジニアに出してもらえばいい」と思う人もいるかもしれませんが、それでは要求される仕事のスピードについていけないので、SQLは身につけておきたいスキルのひとつです。

 

データは知見を得るための材料に過ぎない

 

次に「過去の結果や知識に基づいて洞察を加える」ですが、これはアナリストの仕事において本質とも言える部分だと思います。重要なのはデータそのものではなく、データから何が言えるかです。意思決定者に対して意味のある情報を提供することがアナリストの役割なので、データを出して終わりということはまずありません。

 

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例えば、最近話題のトラッキングデータで、ある打者の打球速度がチームで4番目に速かったとします。これをそのまま伝えても、選手や強化担当者はどうしていいのか分かりません。

「この速度を維持していれば今よりも打率は上がるはず」
「打球の角度が上がれば長打の増加も期待できる」

といった洞察を加えて初めてデータは意味を持ちます。

 

データは事実を提示してくれますが、そこに意味を持たせるのはアナリストの仕事です。野球に関するあらゆる知識や過去の分析結果をもとに考え、分からないことがあれば仮説を立てて検証し、答えを導き出します。作業を効率よく進めるためにも、知識、経験、感性は必要不可欠です。

 

決して一朝一夕にできることではありませんが、最初は他人の真似から入ってもいいと思います。私も「マネー・ボール」からスタートして、いろんな人の本や記事を読みました。ちなみに私が他人の分析を参考にするときに大切にしていることは、事実と評価を区別すること、評価については鵜呑みにせず自分の頭でも考えること、この2点です。

 

正しいことほど伝えるのは難しい

 

最後に「得られた知見をチームの強化担当者に伝える」です。どんなに有益な情報も相手に伝わらなければ意味がないので、これも決して手を抜ける作業ではありません。

 

私は学生時代、マスコミ系の専門学校に通っていたこともあり、文章や図を使って情報を伝えるのは得意な方だと思っていました。しかし、データに基づく情報は相手との共通言語が少なく、たいてい伝えるのに苦労します。しかも正しく伝えようと思えば思うほど難しい説明になり、相手に理解されません。相手にとって不都合な情報であればなおさらです。

 

これに関しては正直、私もまだコツが分かっていませんが、あまり一度で伝えようと思わず、いろんな切り口から根気強く説いていくことが大切ではないでしょうか。何かひとつ刺さると、一気に理解してもらいやすくなることはよくあります。そのためにも、まずは自分自身がその情報について熟知しておく必要があるでしょう。また、日頃から相手との信頼関係を築いておくことも、こちらの提案を受け入れてもらいやすい雰囲気作りという点で大切です。誰だって、よく知らない人の助言をすんなり受け入れようとは思いませんよね。

 

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以上が、私がこれまでの経験を通して、野球のデータアナリストとして最低限持っておくべきだと感じたスキルや思考です。限られた文字数のため全てをお伝えすることはできませんでしたが、少しはこの仕事を身近に感じてもらえたでしょうか。当社では新たな野球のアナリスト人材も募集中です。データを分析する仕事の達成感や悩みを共有できる方、ご応募お待ちしております!

 

 

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